工具・ツールホルダーのQ&A Vol.1
MAS規格とは?
日本は世界に先駆けて工具インターフェイスを工業会規格として標準化に成功し、この規格に基づいた製品が製造されてきました。この工具インターフェイスの規格(ツールシャンク、プルスタッド、主軸端規格)を日本工作機械工業会( Japan Machine tool builders Association Standard)の頭文字を取ってMAS規格と名付けられました。MAS規格の開発ではアメリカ航空宇宙規格NAS970と旧来テーパ規格を参考に作成され、基準寸法が半端なのは、もともとインチ寸法であったものをミリメートルに換算したからだそうです。
工具(ホルダー)のシャンクとは?
シャンク【Shank】の意味を調べると
1、すね、脚、または道具の柄。
2、ゴルフで、アイアンクラブの頭部と接続部、またその部分で打ってしまうミスショット。
とあります。工作機械における工具のシャンクとは、工具の柄の部分すなわち工具を把持する部分です。工作機械に使われている工具のシャンク部分は、BT(ボトルグリップテーパ)、NT(ナショナルテーパ)、MT(モールステーパ)、JT(ジャコブステーパ)、HSKなどがあります。BTは主にマシニングセンタなどの自動工具交換装置向け、MTシャンクは主に汎用フライス盤などの工具交換を手作業で行う機械向け、MTはドリル接続、JTは主にドリルチャックと機械本体の接続、HSKはBTよりも一段と高い工具交換精度を要求される工作機械向けです。BTとNTはテーパ自体は同じ7/24(ナショナルテーパ)で、言わば「NTシャンクを自動工具交換用に改良したのがBTシャンク」です。