Q&A集 Vol.1
部品図作成における「ノウハウ」とは?
部品図のみならず図面は全てJIS或いは各社の製図規格に沿っていることを前提に「見易い・作り易い」が大原則になります。しかし、規格に準じた図面であっても必ずしも大原則を満足してるとはいえません。「手描き」の時代から「CAD」時代を経験した立場で弊社の技術部が図面作成において心掛けている一部をご紹介します。
弊社の部品図作成時の心掛け
1.矢視図は極力使用しない。(各投影図を通常位置に配置)
2.寸法基準位置(≒加工基準)を定め、寸法入れをする。
3.寸法はできるだけ同じ投影図内に入れる。
4.材料寸法が容易に抽出できる。(材料寸法出しに足し算・引き算不要)
5.極力計算寸法を記入する。
6.中心線からの寸法補助線はスキマを設けない。(外形部はスキマ設定)
組立作業における多能工化について
組立作業を分類すると、納品の受け入れ・検査・塗装・組立・試運転・検査・出荷になります。弊社では工程毎に担当を置かず(分業制ではなく)各作業者が最初から最後までを担当する方法(多能化)を採用しています。各作業者で経験の度合いや作業毎の要領の良し悪しで、必ずしも同じ時間で完成するとはいえませんが装置毎に「標準組立時間」を設定し、それを目安に組立作業を進めていきます。組立作業者は自分の得意な作業はさらに合理的なやり方を常に探求し、後輩を指導しながら全員が切磋琢磨して、組立作業の効率アップを目指しています。それを進めるには技術の大いなるバックアップが必要なことは言うまでもありません。
取扱説明書の作成のポイントは?
本来取扱説明書はエンドユーザーがその機械の使い方を熟知する、何らかのトラブルを解消する、メンテナンスにより機械精度を維持する等のために使います。そのため、使う人の立場に立ってわかりやすく作成してあることが必要です。本当に使う人の立場に立ったものになっているかどうか十分に考慮する必要があります。例えば、ひとつの作業でも手順ごとに[STEP1]、[STEP2]など段階を踏んで説明をしたり、文章だけの説明では分かりづらい内容は図示で補足するなどの工夫が必要です。また点検項目には良否を判定できる基準(目安)を謳っていればエンドユーザーで完結できることも多くなるはずです。日々のメンテナンスは予防保全として将来的に発生する可能性のあるトラブルを減少させ製品寿命を長くするポイントですので、取扱説明書を未読の方は一度目を通してみてはいかがでしょうか。