Q&A集 Vol.5
センサーやスイッチのa接点・b接点とは?
装置の位置検出やワーク等の有無検出用に使用される機器として、リミットスイッチ、近接スイッチ、光電スイッチ、レベルセンサ等があります。各スイッチや各センサの信号の種類として「a接点・b接点」があります。
a接点とは?
「N.O=ノーマルオープン」と呼ばれ、「検出体あり」で「ON信号」を出す方式です。(OFF⇒ON)。
b接点とは?
「N.C=ノーマルクローズ」と呼ばれ、「検出体あり」で「OFF信号」を出す方式です。(ON⇒OFF)。
これらの使い分けは「スイッチ類の断線で安全方向になる」ことが前提になっています。一般的に「a接点」は「検出物あり」で「ON信号」で出す方式なので位置検出、ワークあり検出等に使用されます。スイッチやセンサの大半はこれにあたると言えます。逆に「b接点」は検出物を検出することが異常あるいは危険とする場合に使用されます。ないはずの物を検出した場合「OFF信号」で危険等を伝達し、装置を停止させるために使用されたりします。また、作業者が危険を察知し装置を緊急停止させるために押す非常停止ボタンもこれにあたります。非常停止は、通常つながっている(ONしている)回路を緊急時にボタンを押して回路を遮断する(OFFする)ことで装置を非常停止させる典型的な「b接点」と言えます。
レトロフィットとは?
「Retrofit:~の装置[装備]を改良[改善]する。〈機械などに〉新しい部品[装置]を組み込む」。
英語訳ではこのような意味になります。工作機械における「レトロフィット」とは、既存の劣化した機械を改造・修理し、精度・機能を復元するとともに最新のNC装置・NC機能を付加することで最新鋭機に生まれ変わらせることを言います。「オーバーホール」とは少し意味が異なります。分解検査したうえで改造・修理し精度・機能を復元するまでがオーバーホールはと言えるでしょう。剛性が高くバリバリ削れるが、NC老朽化とマガジン本数の不足から生産性が上がらない機械もレトロフィットを行えば剛性はそのままで最新NCの搭載とマガジンの収納本数アップにより生産性向上が可能になります。新規に最新の工作機械を導入するより、低コスト、立ち上げ期間の短縮、設置フロアが不変、使い慣れた機械なので更新対応が迅速、等のメリットが考えられます。 御社で新規に最新鋭機の導入を検討されている場合、社内の老朽機のレトロフィットもあわせて検討してみる価値があるかもしれません。
レトロフィットの参考例
1.最新のNCへ更新・・NC・主軸・サーボモータなどを更新
2.ATC装置のない機械にATC装置を付加・・NC更新と併せて行われることが多い
3.旧ATC装置の更新・・工具本数は元のままでツールホルダをBTからHSKに更新
4.マガジンの工具収納本数増加・・多本数のマガジンに置換、バックアップ式など
5.APC装置のパレット面数増加・・2面⇒6面、4面⇒8面
AACとは?AATCとは?
AACは自動アタッチメント交換装置(Automatic Attachment Changer)の略称です。 立・横型中ぐり盤の付属品にアタッチメントと呼ばれるアングルヘッドやエクステンションヘッドなどを自動交換する装置です。そして、このアタッチメントとの工具交換を行う装置が自動アタッチメント工具交換装置(Automatic Attachment Tool Changer)で、略称AATCです。
AAC = Automatic Attachment Changer = 自動アタッチメント交換装置
AATC = Automatic Attachment Tool Changer = 自動アタッチメント工具交換装置