工具・ツールホルダーのQ&A Vol.3
二面拘束工具とは?HSKとは?
二面拘束とは高速、高精度、重切削加工など工作機械に求められる要求が高くなる中で考案された主軸への工具装着方法です。ホルダーのテーパとフランジの二箇所(二面)で面当たりさせる事で拘束するシステムです。
HSKとは工具規格の名称で、二面拘束工具として広く知られています。HSKの中でもいくつか種類がありHSK-Aは、ISO12164-1(DIN69893-1)に基づく中空の1/10ショートテーパ&テーパ端面密着の二面拘束ツーリング用のシャンクで形状は非対称です。工具引き込み用のプルスタッドが無くショートテーパ内部で工具を主軸に引き込みます。
また、キーがあったりポリゴン形状であったりと各々の工具規格で違いがあり、代表的な工具としてはサンドビックのコロマウントキャプト、ケナメタル、Bigプラスなどが有名です。
プルスタッドとは?
工具(ホルダー)テーパーシャンクの後ろに取付けてある突起物で、工具(ホルダー)をクランプする時に掴む場所になります。機械主軸内の皿バネを使ってこのプルスタッドを引っ張ることによりテーパーシャンクが密着し工具を保持します。その力は数トンです。また、プルスタッドはATCマガジン内の工具保持にも使います。プルスタッドは工作機械メーカーにより使用型式が違い、MAS規格のⅠ形、Ⅱ形のほかメーカー独自の物もあります。なお、HSKなど二面拘束タイプの一部にはプルスタッドがないものもありまます。複数の機械で工具を共用する場合は同じプルスタッド規格を有するメーカーを選定しましょう。