パレットチェンジャー(APC)による自動化
「パレットチェンジャー」と聞いて最初にイメージする装置は一人ひとり違うのではないでしょうか。それもそのはず、機械メーカーや周辺装置メーカーで呼び方が変わったり、同じ呼び方でも少し形態が異なる場合があります。呼び方だけでもAPC装置、パレットストッカ、パレットプールなどがあり広義でいえばFMS(Flexible Manufacturing System)もパレットチェンジャーのひとつと言えるかもしれません。
パレットチェンジャーにはたくさんの種類がありますが、今回はその中から自動化に適したシステムに触れてみたいと思います。
▼パレットチェンジャー(APC)による自動化の特徴
- ワークの特性上(形状、材質)を直接把持することができない
- ワークが比較的大きく重たい
- 一品モノの加工が多くワーク搬送による自動化が難しい
- ワークの段取りに人の介入が必要
- …etc
この他にも理由は様々ありますが、ワーク搬送による自動化が難しい場合にパレットチェンジャーを使うことが多いです。
▼パレットチェンジャー(APC)の種類
パレットチェンジャーには様々なタイプがあります。基本的なパレットチェンジャーは別のページで紹介していますので気になる画像をクリックして詳細をご覧ください。
▼パレットチェンジャー(APC)を用いた自動化の例
今回は複数の設備でパレットを共有できる比較的規模の大きなパレットチェンジャーシステムと小物部品加工向けの多関節ロボットを使用したシステムをご紹介します。
≪1≫複数の設備でパレットが共有可能なパレットチェンジャー(APC)システム
特徴
中~大型のパレットパレットチェンジャーに用いられるシステムでパレットのストッカ部を一列に配置してあるのが特徴です。ワークの段取りは段取りステーションで行います。段取りステーションに旋回機能を付加することで多面イケールへの取り付けも容易に行える設計としています。段取りステーションの仕様はパレットサイズやお客様の要望にあわせてステップを配置するパターンもあります。
このパレットチェンジャーシステムでは複数設備でパレットを共有できるためフレキシブルな生産ラインを構築することが可能です。
仕様概要
- パレットサイズ:□400~
- パレットストック数:4面~
- 最大積載重量:500kg~
- APC装置専用制御:対応可
- 駆動源:油圧、サーボモーター
お客様のパレット仕様、ライン構成などのご要望にあわせた設計を行っていますのでご質問などのお問合せはこちらからお気軽にご連絡下さい。
≪2≫小物部品加工向け多関節ロボットによるパレットチェンジャー(APC)システム
最近では多くの周辺機器メーカーが自動化(多関節ロボットによる搬送)に対応したバイスクランプ機器を販売しています。弊社ではそれらを活用した自動化システムの構築も行っています。比較的小さいワークに適したシステムです。量産加工だけでなく少量多品種加工にも効果を発揮します。
操作盤やストッカーだけでなくそれらを連動させる制御設計も弊社で行っています。過去の技術情報では多品種少量加工向けの自動化システムをご紹介しています。ワークホルダーを使用した自動化ですので厳密にいえばパレットチェンジャーではありませんが、ATC装置のノウハウを活用した面白い自動化です。