ロボットシステム構築について
自社工場にロボットシステムを導入しようと思っても、初めての検討でどのようなロボットシステムの導入を進めて行けば良いかわらないというお客様がまだまだたくさんいらっしゃると思います。そこで今回のテーマのロボットシステムの構築への大まかな流れを説明いたします。
ロボットシステム構築への実現
ロボットシステムの構築には、ロボットシステムインテグレーター(SIer:エスアイヤー)の名称で、ロボットを取り扱う専門のエンジニアリング企業が存在し、最適なロボットシステムの構想から設計、導入まで幅広く担っています。ロボットシステム構築を実現するためには、ユーザー企業様とSIerとの共同作業で実現していくもので密接に連絡を取り合って実施していくものです。
ロボットSIerの仕事
ロボットSIerとは、ロボットシステムの導入提案、設計および構築などを行う事業者のことで、業務内容は様々ですが、例えば次のような仕事が主となります。
(1)ユーザー企業の現在の作業工程を見直し、潜在的な要望発掘・課題を明確にして、解決方法を検討します。
(2)計画段階から運用開始まで全体の工程(日程)をまとめます。
(3)作業工程や業種別に異なる環境などに配慮し、要望にあったロボットの選定をサポートします。
(4)作業の内容や目的に応じ、ロボット本体の選定やロボットアーム(ロボットハンド)の動作、生産ラインの構築・ロボット全体に関わる設計を行います。
(5)ロボット導入による発生するリスクを検討し、安全柵や安全機器を選定し安全規格に沿った設計を行います。
(6)ロボットシステムが稼働する前後のラインや作業工程を再検討し、ロボットシステムが作業しやすい周辺装置の設計をします。
(7)ロボットシステムの動作と周辺装置との動作を制御するプログラムの制御設計を行います。
ロボットSIerだけでは、ロボットシステムの構築はでません。ロボットメーカー・ロボットSIer(専門事業者)・導入企業様の共同作業にてロボットシステムの構築が可能となります。
(1)ロボットメーカー ロボットの提供、ロボットシステムを構築するための機器を提供
(2)ロボットSIer(専門業者) ロボット・周辺装置・プログラムを組み合わせ、専用のラインを構築
(3)導入企業様 システムの運用
ロボットシステム構築まで段階
① 事前検討 自動化におけるニーズをまとめます。予算規模を検討し概算見積りを立て、投資回収の目安を検討します。
② 計画構想 現状の作業工程の問題を見つけその原因を分析します。整理した問題の解決手段を検討し、全体の構想をします。またシステム構築の実施計画を立てます。
③ システム仕様 達成手段や実現方法を要求仕様として定義します。ロボットシステム全体と処理の流れを決め、信頼性・利用性・保守性・復旧性の点から精査します。
④ 設計(基本・詳細) ロボットシステムの具体的な方式や詳細の設計を行い、運用と能力の検証をします。
⑤ 製造組立・納入前確認 設計に基づきロボットシステムの製造組立や制御プログラミングを行います。現地据え付けや調整を行い、動作確認テストを経て総合確認を行います。
⑥ 保守・点検 稼働後も定期点検を行い不具合があれば修正します。障害発生時には復旧支援を行います。
まとめ
少子高齢化が急速に進行し、働き手も同じく減少していく状況の中で、生産性向上を実現するロボットの利用・活用が急務となっています。お客様の中でも検討したいけど、どこから手を付けて行けばいいのか、どこに相談すればいいのかわからないユーザー企業様も少なくないと思います。弊社は、工作機械周辺装置設計製作のメーカーですが、近年ロボットシステム構築に力を注いでいます。一度お気軽にエイ・テイ・シイ(株)に問い合わせ頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。